いちばん有名な夜の想像にそなえて
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瀬口真司さんとの合同歌集。A5、90ページ。連名の「ステートメントA+S」と、50首連作をひとり2篇ずつ、計4篇収録。 写真・表紙デザインはトヤマタクロウさん。
瀬口真司さんとの合同歌集。A5、90ページ。連名の「ステートメントA+S」と、50首連作をひとり2篇ずつ、計4篇収録。
写真・表紙デザインはトヤマタクロウさん。
青松輝「days and nights」より
数字しかわからなくなった恋人に好きだよと囁いたなら 4 死の用意・愛の用意をととのえてスローモーションのミルククラウン
瀬口真司「天使給電篇」より
好感情こそこわばる息で一月の半ばは枝を濡らした桜 I still feel your touch. 凍る泥道のどこにいてもセックスの子供たち
「ステートメントA+S」より
われわれはいま、その車の後部座席で目を覚まし、ルームミラー越しに運転手のあくびを見つめている。運転手が何かを思い出すような目をして、われわれも何かを思い出す。 われわれは、われわれ自身が歴史的存在であるということを無視しては何も書くことができない。歴史的存在というのは、ただちに自らの位置が語り継がれるべきであるということを意味しないが、われわれはもっとも遅く現れながら、われわれの歴史を思い出す。 われわれは、作品に対する、あるいは〈短歌〉や〈詩〉の概念そのものに対する、強いコミットメントをわれわれ自身に要求する。いまわれわれの書くものが、これから書かれるすべての未来の序であり、これまでに書かれたすべての序と矛盾しながらわれわれがいま書くものが、これから書かれるすべての未来を縛る。